秋の恵み 里芋 体と心に優しい シンプルな手軽レシピ
ほくほく、ねっとり。秋の味覚 里芋を楽しむ
秋の訪れを感じさせる食材の一つに、里芋があります。特有のぬめりとなめらかな口当たり、加熱するとホクホクとした食感になるのが魅力です。里芋は日本の食卓に古くから馴染みがあり、煮物など定番料理に使われるイメージが強いかもしれません。しかし、実はシンプルで手軽な調理法でも美味しく、栄養価も高い「体と心に優しい」食材なのです。
忙しい日々の中でも、旬の里芋を食卓に取り入れることで、季節の恵みを味わい、心身ともに満たされる時間を持つことができます。この記事では、里芋の魅力や栄養、そして簡単・シンプルな手軽レシピをご紹介します。
里芋を知る:旬・選び方・保存法
里芋の旬
里芋は秋が最も美味しい旬の時期を迎えます。9月頃から市場に出回り始め、11月頃までがピークとなります。この時期の里芋は、最も美味しく栄養も豊富です。
美味しい里芋の選び方
- 形と大きさ: 丸みがあり、ふっくらとしていて、手に持った時にずっしりと重みを感じるものを選びましょう。傷がなく、皮にシミが少ないものが新鮮です。
- 土付きか洗い里芋か: 土付きのものは日持ちが良いですが、調理前に土を落とす手間があります。洗い里芋はすぐに使えて便利ですが、鮮度落ちが早い傾向があります。用途や保存期間に合わせて選びましょう。
- 親芋と子芋・孫芋: 一般的に市場に出回るのは、親芋の周りにできる子芋や孫芋です。これらは柔らかく、調理しやすいのが特徴です。
里芋の保存法
- 常温保存: 里芋は乾燥に弱く、湿気に強い性質があります。土付きの場合は、土をつけたまま新聞紙などに包み、風通しの良い場所で常温保存します。この方法で1週間〜10日程度保存が可能です。冷蔵庫に入れると低温障害を起こして傷みやすくなるため避けてください。洗い里芋の場合は、早めに使い切るか、冷蔵庫の野菜室で保存し、数日以内に使用しましょう。
- 冷凍保存: 長期保存したい場合は冷凍がおすすめです。皮をむいて一口大に切り、固めに下茹でしてから冷凍用保存袋に入れて冷凍します。解凍する際は、凍ったまま加熱調理に使用できます。生のまま皮をむいて冷凍することも可能ですが、加熱してからの方が調理の際に使いやすいでしょう。
里芋の栄養と健康効果
里芋は、ただ美味しいだけでなく、体にとって嬉しい栄養が豊富に含まれています。
- 食物繊維: 豊富に含まれる食物繊維は、腸内環境を整え、お通じをサポートする働きが期待できます。また、血糖値の急激な上昇を抑えることにも役立つと言われています。
- カリウム: 体内の余分なナトリウム(塩分)を排出し、むくみの解消や血圧の維持に貢献します。
- ガラクタン: 里芋特有のぬめり成分の一つであるガラクタンは、水溶性の食物繊維の一種です。免疫力を高めたり、血糖値の急激な上昇を抑えたりする効果が期待されています。また、胃の粘膜を保護する働きもあると言われています。
- ビタミン・ミネラル: ビタミンB群やマグネシウムなども含まれており、エネルギー代謝を助けたり、体の調子を整えたりする役割を果たします。
これらの栄養素は、忙しい毎日で疲れがちな体をサポートし、健やかな状態を保つ手助けをしてくれるでしょう。手軽に調理できる里芋は、心と体の両方に優しい食材と言えます。
体と心に優しい シンプルな里芋レシピ
里芋は下処理が少し手間に感じられることがありますが、工夫次第で簡単に調理できます。ここでは、特別な技術や時間をかけずに作れる手軽なレシピを2つご紹介します。
レンジで簡単!里芋のバター醤油和え
里芋の皮むきと加熱をレンジで行うことで、手軽に作れる一品です。あと一品欲しい時や、おつまみにもおすすめです。
材料(2人分)
- 里芋 4〜5個(約200g)
- バター 10g
- 醤油 小さじ1〜2
- (お好みで)刻みねぎまたはパセリ 少々
作り方
- 里芋は皮ごとよく洗い、包丁で天地を少し切り落とします。耐熱皿に並べ、ふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で里芋が柔らかくなるまで5〜7分加熱します。竹串がスッと通るくらいが目安です。
- 加熱した里芋は熱いうちにラップを外し、粗熱が取れたら手で簡単に皮をむきます。火傷に注意してください。
- むいた里芋をボウルに入れ、バターと醤油を加えて和えます。バターが溶けて全体に絡まれば完成です。
- 器に盛り付け、お好みで刻みねぎやパセリを散らします。
ポイント
- 里芋の加熱時間は電子レンジの機種や里芋の大きさによって調整してください。
- 熱いうちに皮をむくと、つるんと簡単に剥くことができます。手がかゆくなるのが心配な場合は、ビニール手袋を使用すると良いでしょう。
- バター醤油の他に、めんつゆやごま油、味噌などでアレンジするのもおすすめです。
外はカリッ、中はホクホク!里芋の揚げ焼き
里芋を少ない油で揚げ焼きにするレシピです。下茹でしてから揚げることで、火の通りも早く、中はホクホクに仕上がります。
材料(2人分)
- 里芋 4〜5個(約200g)
- 片栗粉 大さじ2〜3
- 揚げ油 適量(里芋の高さの1/3程度)
- (お好みで)塩、青のり、カレー粉など 適量
作り方
- 里芋は皮をむき、一口大に切ります。鍋に里芋と里芋がかぶるくらいの水を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして竹串がスッと通るまで5〜7分下茹でします。
- 茹で上がった里芋はざるにあげ、水気をしっかり切ります。
- ポリ袋に里芋と片栗粉を入れ、袋を振って全体に片栗粉をまぶします。
- フライパンに揚げ油を里芋の高さの1/3程度入れ、170℃に温めます。片栗粉をまぶした里芋を重ならないように並べ入れます。
- 時々転がしながら、全体がきつね色になりカリッとするまで揚げ焼きにします。
- 油を切って器に盛り付け、お好みで塩や青のり、カレー粉などを振りかけて完成です。
ポイント
- 下茹でしてから揚げ焼きにすることで、短時間で火が通り、外はカリッと、中はホクホクに仕上がります。
- 片栗粉をしっかりまぶすことで、カリッとした食感になります。
- 揚げ油の量は、里芋が半分浸かる程度で十分です。揚げ焼きにする際は、油の温度を一定に保つように調整してください。
- 塩の他に、粉チーズをかけたり、甘辛いタレを絡めたりしても美味しいです。
毎日の食卓に、旬の里芋を
里芋は、シンプルな調理法でも十分にその美味しさを楽しめる秋の恵みです。食物繊維やカリウム、ガラクタンなど、体に嬉しい栄養も豊富で、忙しい日々の健康維持をサポートしてくれます。
今回ご紹介したレシピは、どれも手軽に作れるものばかりです。ぜひこの秋、里芋を手に取り、そのほくほく、ねっとりとした優しい味わいを食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。旬の味覚を味わうことは、体だけでなく、心にも安らぎを与えてくれるはずです。